 ベーカリーカフェ ムッシュ
イワンは、東京・立川市の若葉ケヤキモール内にある。洗練された雰囲気と同時に気軽に入れるカジュアル感もある。
 ショーケースには、色鮮やかなデニッシュがたくさん並んでいた。
 深い味わいがある「イギリスパン」(280円)は定番商品だ。
 三重県産の青海苔がたっぷりと入った「青のりのリュスティック」(160円)
 ショーケースの上に、おいしそうな「石臼挽きクロワッサン」(135円)がさりげなく置かれていた。
 パンの陳列スペースには、製粉機が置かれていた。実際に小麦を挽いて、その粉を使用している。
 売り場に出て、顧客にパンをすすめる小倉さん。セルフ方式の販売だけではなく、対面販売も導入したのは、顧客と会話をする機会を少しでも多くしたかったからだという。 |
30年以上前にすでに現在の最新の製パン法を実践していた人がいた。
1に粉、2に種3に技術
小倉さんは、1975年、ホテルパシフィック東京に入社。そこで、出会ったのが、当時同ホテルのベーカー長だった故福田元吉氏だった。 「いまは、リテールの人たちが力をつけてきて、フランスなんかから多くを学び、おいしいパンを作るための様々な技術が普及していますが、30年以上前にすでに、同じこと、いやそれ以上のことを独自に確立していた人がいたんです。例えば、『つき丸め』という工程は、ミキシングが終わったあとに、生地を麺台の上で休ませておいてから、パンチをして丸めて、フロアタイムをとるというものですが、これは、フランスから伝わったオートリーズ法に通じるものがあります」 故福田氏の究極の目的は、香りを引き出すことだった、と小倉さんは感じている。 「おやじさん(故福田氏)は、香りを引き出すために、小麦粉と種の研究にはとても熱心でした。『1に粉、2に種、3に技術』が口癖でしたね。『いい粉を見つけて、その特徴を引き出してやることが大事だ』といつもいっていました」 ムッシュ
イワンでは現在、小麦粉は全部で約16種類を、製品によって巧みに使い分けている。自家製の種も、4種類を使用。商品ごとに材料を吟味し、商品ごとの特徴を強く打ち出している。 「おやじさんから受け継いだものをしっかりと実践した上で、自分なりのエッセンスを加えられたらいいなと考えています」(小倉さん)
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